土木と建築。若手とベテラン。
施主様とSAWAMURA。
一丸となってつくりあげた
崖の上のリゾート空間。
土木と建築の施工力が生み出した、
滋賀を代表する人気観光リゾート施設。
2018年。何もなかった山頂の崖に琵琶湖を一望できるテラスが出現。まるで非現実的で非日常のようなリゾート空間「びわ湖テラス」を実際に施工したのがSAWAMURAの工事グループだ。土木と建築部門の技術と経験を融合させて臨んだ、他に類を見ない大規模建設プロジェクト。竣工に至るまでの苦労ややりがい、達成感などについてプロジェクトメンバーに語ってもらいました。
工事グループ
グループ長(※当時 土木工事担当)
清水さんってどんな人?
清水さんは、土木のこともそうでないことも、どんな質問にも丁寧に答えてくれます。人生を学ばせていただいています。一見こわそうに見えますが(笑)、実はとても繊細で人見知り。やさしくて頼もしい上司です。 by平野
工事グループ
工事Ⅰ課(建築)
土井さんってどんな人?
土井さんは、まったく動じない人。どんなピンチでも表に出さない。切羽詰まったときも大変なときも、ずっとどんとしてはるので、ぼくらは安心して仕事を進めることができます。現場監督としての自分の、土台となる基準をつくってくださった大先輩です。 by藤森
工事グループ
工事Ⅰ課(建築)
藤森さんってどんな人?
藤森は、面倒見のいい男ですね。誰とでも仲良くなれるキャラクターで、後輩からも現場の職人さんからも慕われています。いろんな現場から自分にできることを取り入れているのも感じるし、これからどんどん伸びていくと思う。楽しみですね。 by土井
工事グループ
工事Ⅱ課(土木)
平野さんってどんな人?
平野は待望の新人です。ガッツがあって、職人さんの話の中にも積極的に飛び込んで、しっかりコミュニケーションがとれる。そして、ガンコ。大物の予感です(笑)「知りたい」という気持ちをこれからも大切に、これからのSAWAMURAを担っていってもらいたいですね。 by清水
CROSS TALK
PROJECT CROSS TALK
01
BIWAKO TERRACE
01:現場は、標高1100メートルの崖。
清水:
びわ湖テラスの工事はいくつかのフェーズにわかれていて、今のところⅠ期~Ⅲ期工事まですべての施工を僕らが担当しています。なかでも立ち上げとなったⅠ期工事では、もともと崖だった急傾斜地にテラスを取り付け、ホテル1階の客室をカフェへ改修する工事でした。
清水:
最初お話を聞いたとき、工事そのものはSAWAMURAの作業員のスキルがあれば必ずできると確信しました。ただ、標高1100メートルの山頂での工事は初めて。工事の材料を現場まで運搬する手段は、一般のお客様も使っておられるリフトしかない。コンクリートなど大きな材料を運ぶ際には、施主であるびわ湖バレイ様の営業時間外に行う必要がある。工事の鍵は、いかにスムーズに材料を納入するか。そして崖へのコンクリート打設をどうするかでした。
土井:
材料を荷上げする時間が限られている。でも、材料を運ばないと施工ができない。材料を運ぶリフトは、びわ湖バレイ様のスタッフに操作もしていただくため、お施主様の協力もとても重要な工事でしたね。
清水:
そうですね。残業したのは僕らだけじゃない。
土井:
なにせ通常の工事とは勝手が違いすぎるので、都度お施主様と打ち合わせていました。
02:工期の約半分が雨! 泥にまみれ、泊まり込み…
オープン前日、遂に竣工!
清水:
工期は4ヶ月半。材料を納入できたところから、土木部門は土工事を、建築部門はカフェへの改修を同時進行で進めていきました。
過去の図面(構造図、配管図)などがなく、地下から何が出てくるかわからない。障害物なども多く幾度となく施工方法を変更する必要がありましたが、何より僕らを苦しめたのは、山の天候でした。
土井:
最大の難関でしたね。山の天候は非常に変わりやすく、平地で晴れていても、上ってくると雲の中。そんな日も多々あり、テラス工事においては思うように進まなかったこともあります。特に、竣工間際に雨が続き、ラストスパートのところで施工ができなかったのは痛かった(笑)本当に工期内に終わるのか最後の最後までわからず、オープン日はプレスリリースもしているので絶対に変えられない。内心めちゃくちゃ焦っていましたが、他の現場作業員に不安を与えないよう常に余裕を装って管理していましたよ。
清水:
施工期間の半分以上が濃霧か雨。土質も粘土質だから毎日泥んこになっていましたね。僕の中での最大の難関は、建物改修とテラス工事がほぼほぼ完成した後、外構工事(枕木園路や木塀、芝貼り)など通路を確保しながらオープンに間に合わせる最後の追い込み。協力会社との打ち合わせなど、本当の意味で熱のある議論をしながら、相互の連携を持ちリスペクトすることを忘れずに、あとはやるだけ。完成したのはびわ湖テラスオープン前日の夕方。間に合ってホッとしました…ホンマに(笑)
土井:
テラス工事の業者さんについては、少しでも進められるようにテントを張りながら施工していただいたり、最後の数日間は泊まり込みで早朝から施工し、何とか竣工を迎えることができましたね。
清水:
確かに大変ではあったけど、結果的に楽しかったですよね。高い精度で納期を守るために、チームの結束を高め、常にコミュニケーションを意識し、環境的にも肉体的にもきつかったけど、やっぱり楽しかった。これがこの仕事の醍醐味かもしれませんね。
03:日の当たる工事に、若くして携われる。
清水:
それからⅡ期工事では、北湖テラス増設工事を担当しました。Ⅰ期工事より施工範囲が狭い現場で、障害物が多いだけでなく、営業しながらの増設工事であった為、施工の難易度が格段に上がった工事でした。そしてⅢ期工事である北湖テラスの拡張工事で、平野と藤森が現場管理を担当しました。
藤森:
「SAWAMURAは少々値は張るがちゃんとやってくれて安心」。そんな評価をⅠ期工事の竣工後に耳にしていました。だから、清水さん、土井さんが敷いてくれたレールをさらにつないでいきたい。そんな気概で臨んだ工事でした。
平野:
引き継ぎの際に聞いていた通り、お施主様が非常に協力的だったことが印象的でした。一緒につくっていくことで、よりよい構造物ができあがることを実感できましたし、悪天候への調整や対応においても学ぶものがとても大きかったです。
藤森:
確かに。その都度、臨機応変な対応が求められる現場だからこそ、お施主様としっかり話し合えることはありがたかったですね。
04:SAWAMURAだから成せる、土木×建築の施工力とは?
清水:
土木と建築は、もともと仕事の進め方や価値観が異なるもの。その違いをいかにプラスに捉え、活かし合えるかがポイントで、SAWAMURAはそれができる会社です。複数の協力会社を効率的に同時に動かす統率力を持つ建築と、傾斜地や様々な土質に対応しながら、基礎工事や各種運搬などを担う実力のある土木。それぞれの経験やできることを精一杯出し切り、「工期厳守」を念頭に一丸となり取り組めた結果がびわ湖テラスの竣工につながっていると思うんですよね。
土井:
そうですね。びわ湖テラスに関しては、清水さんがいてくれはるという安心感は大きかったです。現場の作業員に対しても信頼していました。びわ湖テラスのプロジェクトは、僕にとっては一つの通過点と捉えています。それは、SAWAMURAで土木×建築の施工力で、今後もっとたくさんの経験ができると思っているから。びわ湖テラスの工事を無事終えられたことで、これからがさらに楽しみになりましたね。
平野:
入社して1年。まだ経験も浅いですが、だからこそ職人技を目の当たりにできる現場は勉強になります。Ⅲ期工事を経て、竣工したときの達成感も味わえました。早く一人で現場を管理できるようになり、何もないところから構造物をつくりあげていきたいですね。
藤森:
建築は人を豊かにするものですが、作り手の僕自身も豊かにしてくれる仕事。一つの工事を完了すると、そんなことをつくづく感じます。これからも、もっといい現場をつくりたいですね。職人さん、お施主様、すべての人が気持ちよく働ける現場をつくり、僕自身も豊かに生きていきたい。そんなふうに思っています。
発注者
びわ湖バレイ株式会社
(現:アルピナBI株式会社)
設計・監理
株式会社石井建築事務所
工期
【Ⅰ期】 2016年5月~7月
【Ⅱ期】 2018年4月~7月
【Ⅲ期】 2021年3月~ 4月
構造・規模
【Ⅰ期】カフェ…既存鉄骨造 1F内部改修
テラス・水盤…木造
【Ⅱ期】 テラス・水盤…木造
【Ⅲ期】 テラス・水盤…木造
延床面積
【Ⅰ期】 施工面積 約440坪 / 約1,450㎡
【Ⅱ期】 施工面積 約242坪 / 約800㎡
【Ⅲ期】 施工面積 約85坪 / 約280㎡
所在地
滋賀県大津市