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SAWAMURA

CONTENTS 01目指すのは、
枠に捉われない「まちづくり」

代表取締役まちづくりプロジェクトリーダー

SAWAMURAが考える、
まちづくり

SAWAMURAが取り組んできたまちづくりや想いを振り返り、未来に向かってどう向き合うのか。そして、まちづくりを通して生み出したい価値を語りました。

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Q1:これまでの取り組みについて

澤村:
初代・2代目の時代は、地元の祭りに参加したり、商工会の仲間と一緒に商店街を使ったまちおこしをしていました。私が代表になってからは、地域のメンバーを巻き込んで、地元工芸家のアトリエを巡るイベントをやったり、高島市に対して各地域の活性化案を提言していましたが、地域に還元できているという手応えが無かったんです。そんな中で、手応えを感じ始めたのが自社で運営する「SAWAMURAマルシェ」。来場者が「ゆたかな暮らし」を考える場にする、をコンセプトに毎回アプローチを変えて企画しています。マルシェなど手段や枠組みを活かし、多様な視点からアプローチすることで、最終ゴールに近づくかもしれない、と考えるきっかけをもらいましたね。
南:
そうですね。私がマルシェの委員長になった時は、数あるマルシェの中で「建築の会社がやる」というアイデンティティを、自分なりに考えていました。空き家利活用を促したいという会社の意向もあったので、すぐに直結せずとも、SAWAMURAのことや暮らし方を考えるヒントになりそうなワークショップの企画を提案して、少しずつ発展させてきました。

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Q2:まちづくりのきっかけは?

澤村:
社長就任当初は施工が中心の会社でしたが、営業企画や設計から取り組める体制が整うと共に、顧客に対して付加価値を高める提案が増え、それを高めていきたいと考えるようになりました。それと同時に、その経験から培ったノウハウを会社にある地域で実践することでエリアの価値を高められるという思いも芽生え、そこから本腰を据えるようになりました。
南:
私個人の中で興味が芽生えたきっかけは、古い建築をリノベーションすることで、新たな人の集まる場になるだけでなく、それが地域の課題解決につながっていく、そういうリノベーションまちづくりっていうのが面白いなと思ったのがスタートでした。
澤村:
確かに。課題解決につながるまでがセットになるといいね。 まちづくりってよく人の数が集まることが良しとされがちですが、「それが本当に地域にとっていいのか?」は考えたいですね。商業施設を作ったらたくさんの人がくるけど、単なる買い物だけで人の繋がりができるとは限らない。南くんは、建物の中で何をなされることがまちづくりだと思う?
南:
まちづくりって何かよくわからなくなる時もあるんですけど、少し引いて見ると「パブリックマインドを持っているか」だと思っています。自社が儲かることだけでなく、その利益を地域に還元しているか、その地域が良くなることを考えているのか、うまく言えませんが、そういうことかなと思います。
澤村:
未来に対してワクワクする新たな一歩をつくれるとかね。ここにいる人が少しでも楽しいなと思える瞬間を増やしていくとか。
南:
結局そこですよね。まちづくりや地方創生って言葉に、とっつきにくいと思っている人たちってたくさんいると思うんです。言葉のイメージで難しくし過ぎている時もあるので、「面白そう」で気軽に始められる余白はつくりたいですね。たまに、まちづくりに全然興味ない人が興味を持つことがどれだけあるかを考える時があります。まちづくりって言葉の可能性とか、「そんな面白いことならやってみたい」と思ってもらえるようになりたいですね。現状、そこまではまだたどりつけてないな、と思います。

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Q3:まちづくりに対する実感は?

澤村:
SAWAMURAマルシェをきっかけに、これまで無かった関わりが増えているとは思います。うちの取り組みを見学に来たいという話をいただくことも増えました。こういうことから関わるきっかけが増えていって仲間が増えて、地域が活性化する一歩が増えていくと、自然と地域が元気づくと思います。SAWAMURAマルシェも5年間続けることで、来年もまたぜひ、みたいな流れができています。
南:
そうですね。後は、関わる人が増えると、あらためて何を目指すのかというビジョンが必要になってきていると感じます。
澤村:
そうだね。SAWAMURAとしては、すべてを自社で完結させるのではなく、本業である建築を通じて人がつながり、新しい事業が生まれるような場を増やしていきたいなと思ってる。この地域に多くのプレーヤーが集まれば、新たな価値が生まれていくはず。そのためにも、会社の横に作ったコワーキングスペース「RinTakashima」のように、建てた後の空間に人が集まり、「面白いことができそう」「地域ごとに関わってみたい」と感じてもらえるような流れをつくりたいですね。
南:
そこまでやった方がむしろいい気がしますね。私は設計事務所出身なので、よく若い建築家の方の活動を見ていると場の運営まで含めてやっていて、それがまた設計にもフィードバックされています。開かれた場を持っているとか、作品づくりとは違う建築のあり方が実現できるといいなとずっと思っています。
澤村:
それがSAWAMURAらしいまちづくりのあり方。その一部がRinTakashimaでこれから実現できると思っている。

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Q4:これからの展望は?

南:
SAWAMURAマルシェ関係の続きで言うと、近隣大学やJR西日本、高島市など外部と連携し始めているので、力を合わせて空き家活用に踏み込む動きも取っていきたいですね。大学や公的機関が関わると、社会課題に対してどうコミットしていくかというのも新しい切り口として考えられる気がします。大袈裟になっても難しくなりますが、マルシェでそういうテーマを扱うことが社員にとっても何か仕事に活きるのではないかと。そんな循環ができれば、マルシェで考えた切り口が「あ、これからの時代はそういうことも考えていかないと」という気づきとして自分の仕事にも活かせると思っています。
澤村:
会社でも色んな取り組みはしていますが、まちづくりの活動が、自分の成長にもつながる、と気づく社員を増やしたいです。広いフィールドだからこそ色々なことに取り組み、多くの人たちが関わり、できることも増える。例えば、大学と協業すれば社会課題に対して継続的にアプローチできるかもしれないですし。とはいえ、実際のところ難しいことも多いです。高島市は他町村と合併したことで、市としてかなり広域になりました。やりたい時にパッと集まれる距離感に無いのが、どうにかできないかなと思っています。
南:
確かに、物理的な距離みたいなところも意識として変わってきますね。
澤村:
農業を頑張っている人と連携しようと思ったら車で片道30分かかるけど、例えば敦賀だったら30分あれば端から端まで2往復できます。そういう面では高島の地域でやっていることは、複雑でかなり深い課題なんじゃないかと。
南:
課題先進地域ですね。(笑)
澤村:
そう、だからこそまずは高島でなにか結果を出す。その結果が他の地域の課題を解決するきっかけになるかもしれないし、それをまた高島にフィードバックしてより良くしていけばもっと大きな武器になるんじゃないかと最近思っています。
南:
なるほど。私個人の将来的な展望は、やっぱり地域に愛される建築を手がけたいです。今はイベント運営から携わっていますが、会社の中で目指す先と自分のやりたいことのバランスは保ちつつ、ゆくゆくは建築の設計を通してまちづくりに関わりたいと思っています。

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Q5:最後に、どんな仲間と
街づくりをしたいか?

南:
まず社内の人ですね。現状、まちづくりに興味がある限られた人だけでやっている状況なので、まずは社内で興味を持ってもらい、面白いと思う人を増やしたいです。新入社員の中でも興味の有無は分かれますが、全体的に取り組みはなんとなく知っている人が多いので、そういう意味ではベースとしては浸透しているなと。今は、マルシェを通じて若手がプロジェクト運営を学ぶ場になっていますが、もっと自由に挑戦できるフィールド、と思ってもらいたいですね。
澤村:
社内に関しては、関わる人を増やすことだけでなく、この活動の意義や意図を伝えていく場を作っていきたいです。そこに共感して飛び込んでくるかはその人次第なので。言われたからやる、ではなく、一歩目を自分で進める人をどれだけ増やせるかがすごく大事ですね。社外に関しては、「この場所で、これがやりたい」という熱い気持ちを持つ仲間を増やして伴走したいですね。まちづくりは、成功したかどうかよりも続けられること自体に意味を感じます。そういう意味でも、ブレない意志は大事じゃないかと。本来、建築屋がマルシェをやる必要はありませんが、例えば、マルシェをやっていることで、この賑わいを日常にしたい人が空き家活用の相談をしてくれることなどを期待しています。「マルシェやっているんですよね」っていうところからなにか一緒にやりたいと言ってくれる外部の方も多くいます。これがやりたいという気持ちでやっている人であればそれをやり続けるパワーは持っていると思います。今後については、例えばSAWAMURAじゃないとできないことを南くんに相談しにくるおばあさんがいて、やってみましょうかという仲間がいて、それに共感して仲間になる人が現れたとしたら。それがまちづくりであって、一緒に取り組みたい人たちの理想に近い形ではないでしょうかね。

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