SAWAMURAの旧社屋を、
グリーンショップへ
リノベーション。
部署の枠をこえた
挑戦のステージが、ここにはある。
「葉のある暮らし」を、住まいを考えるきっかけに。地域の方々や、まだ家づくりを検討していないお客様にも、SAWAMURAを知ってもらいたい。その接点を生み出すグリーンショップ「HAARU」。SAWAMURAの新たなステージにふさわしい建築を完成させた、二人の設計・施工担当者に話してもらいました。
住環境グループ
新築1課 プランナー
原さんってどんな人?
原さんは、がんばり屋さんで、自分をこえていく人です。そんな原さんを、周りにいる人は応援したくなります。そういうキャラクターであることも、大きな才能だと思います。おもしろくて難しい設計をするので、施工管理として、とてもやりがいがあります。 by山田
住環境グループ
リフォーム課 施工管理
山田さんってどんな人?
山田さんは、設計を形にするためのスキルとアイデアを両方持ちあわせた人です。これ以上ないところまで考え抜き、現場でやり抜く姿勢。そのプロフェッショナルな仕事ぶりから、たくさん勉強させてもらっています。 by原
CROSS TALK
PROJECT CROSS TALK
03
HAARU
01:やりたいことを図面に落とし、期待以上のワクワクを。
原:
「HAARU」は、建築を検討していない方、今後家づくりを検討予定の方に、SAWAMURAを知っていただくためのコンセプトショップ。設計士としての私の役割は、お客様が「SAWAMURA」の名前を一番最初に思い出せるお店を設計すること。また、家づくりを考えてご来店いただいた方には、期待度や安心度を上げられるお店にすること。あと、このプロジェクトの設計に選ばれたとき、自分にしか思いつかないアイデアで素敵なお店をつくりたいと思いました。この思いを大切にしながら、お客様にSAWAMURAのデザイン力・提案力・施工力などが一目みたら伝わり、すごくワクワクする建物にしたいなと。せっかく会社内で運営する建物の設計に携わるのだから、社内からみても期待以上のものを目指しました。
02:ミッションは、こだわりの設計を形にすること。
山田:
僕は別の会社で10年ほど現場監督をしており、2019年にSAWAMURAへ中途入社しました。「HAARU」の施工管理を担当するにあたって、旧本社の時代を知らない自分が担当してもよいのかという不安はありました。しかし、やるからには今後会社の建物として長く残っていくものなので、妥協のないものをつくりたいという気持ちで取り組みました。会社の敷地に建てられるので、社内のプロから見てもきれいな納まりになるよう心がけました。原さんが想いを込め、丹念かつ入念に設計したものを形にすること。それが今回のプロジェクトでの最大の役割。特に東玄関の鉄骨開口は、形・強度・色・施工方法にいたるまで、原さんと一緒にかなり試行錯誤しています。植物もさることながら、建築的な魅力にも注目してほしい。そんな本音も少しあります(笑)
03:設計の理想を、現実にする。
原:
確かに(笑)シンプルで余計なものが見えない雑貨店エリア、内外の境界を曖昧にして外側まで続くウッドデッキなどなど、こだわりの空間も感じてもらいたいですね。山田さんは、私の図面に対して耐久性やよい納まり方、もっと建物がカッコよくみえる寸法まで細かく相談に乗ってくださいました。設計だけをしていると、どうしても動線やカッコよさを重要視しがち。ところが山田さんは、時間が経ってもできるだけきれいな状態を保てるように。そして、実際に人が使うときにより快適に使えるよう、リアルな目線で詳細まで考えてくださるんですね。心強く、頼らせてもらう反面、少し反省もしました。設計の段階から自分でももっと考え抜かなければ。また、一人ではなくチームで取り組むことで、どんどんよい建物になっていくことがわかったプロジェクトでもありました。一人ではなく、いろんな人が集まって考えることの大切さを再確認できました。
山田:
原さんとは初めて一緒に取り組む工事でした。原さんのすごいところは、現場に対するものすごいがんばりと妥協することのない姿勢。この姿を見て、こっちが妥協するわけにはいきませんよね。原さんのつくりたいものを、どうすれば形にできるか。相談に乗ったり意見を出し合ったりと、試行錯誤をしながら進めました。原さんは形がないものからいろいろなアイデアを考え、図面にすることができますが、これは自分にはできないこと。今回、同じチームのメンバーとして一緒に取り組めたことは、とてもよい経験になりました。
04:設計・施工管理スタッフが語る、妥協なきこだわりの全貌。
原:
「建物のカッコよさはどうせ家具で決まるんでしょ?」という考えを払拭したい、ということも自分の中のテーマでした。つまりオシャレなだけではなく、「建築」そのものによってさまざまな空間体験ができるように工夫しました。たとえば、HAARUの打ち合わせスペースは、「靴を脱ぐ」という行為を建築がさせます。靴を脱いで足で無垢材を感じ、あえて床を上げて天井の低い空間に入っていくことで、プライベート空間に入ったような安心感を感じていただけます。そのことにより初めて来たお客様の、心のバリアを取り除こうとする狙いがあります。
原:
また、掘りごたつとテーブルを四角形ではなく円にしたのは、【 お客様 と 営業 】という目に見えない境界線を取り除きたい思いがあったからです。対面でお話しするとどうしても商談の雰囲気になってしまい、お客様も肩の力を抜きにくい。そこで、丸いテーブルで横並びに座ることで肩の力を抜き、一緒に家を考えていく。それはまさにSAWAMURAらしい家づくりであり、初回の打ち合わせでそれを感じ取っていただける空間にしたいという思いがありました。
山田:
建物すべてにこだわった、というのが正直なところですが、たとえばenサッシ。これは天井・壁・床が内外部につながっているように見せたく、高さを合わせ、壁の段差もない納まりを考えました。また、既設の鉄骨柱をずらすことができなかったため、サッシの重なる部分を既設の鉄骨柱に合わせて外部からenを見たときに目立ちにくくしました。
山田:
東面の出入り口は、他では見たことのない空間にしたかった。そこで四角の鉄板を宙に浮かせ、建物を貫通して見えるよう工夫しました。色についても、求めているものに近づけようと厳選。また、南出入口、階段周りの建具は壁のように見せたく、外壁から羽目板の割付をして外壁が内壁につながるようにしました。建具も壁に見えるよう、取手や丁番など目立ちにくい金物を取り付けました。ほかにもいろいろありますが、今後使っていく中で不具合が起こりにくいように考え、長くきれいに建物を維持していけるように施工しました。
05:人、企業、地域に対して、常にオープンな空間へ。
山田:
原さんは、HAARUが今後どのような場所になればいいと思いますか?
原:
住宅や店舗などをご検討いただいているお客様が、なんとなく楽しい雰囲気でお話できるような場所になってほしいですね。役職や立場、年齢、性別などいろんな垣根を感じさせず、みんながフラットにコミュニケーションをとることができる。そんな場になればいいなと思っています。私は住宅の営業設計の仕事をしていますが、HAARUがあることでグリーンショップに来ていただいた際にお客様とお話することもできます。地域に根ざした会社の中に、お客様に対して常にオープンな場所があるのは、お客様にとってもSAWAMURAの社員にとっても、長いお付き合いをしていくうえでとてもいいことだと思います。
山田:
本当にそうですね。HAARUを通じて、今まで関わりがなかった方々にもSAWAMURAを知っていただきたい。さらには地域の方だけでなく、高島市以外の方や県外の方にも親しみのある空間になってほしいですね。
発注者
株式会社澤村
設計・監理
株式会社澤村
工期
2020年3月~2020年10月
構造・規模
RC造/2階/リノベーション
延床面積
61.04坪/201.81㎡
所在地
滋賀県高島市